ニューヨークで起きた蒸気パイプの爆発事故で飛び散ったガレキなどから肺がんなどの原因となる「アスベスト」が検出され、ニューヨーク市は19日、市民に着ていた服を捨てるよう異例の呼びかけを行いました。
ニューヨーク市で起きた蒸気パイプの爆発では、これまでに1人が死亡、けが人は重体2人を含め45人に上りました。
ニューヨーク市は、飛び散ったガレキやほこりから肺がんなどの原因となるアスベストを検出し、一部のサンプルにはかなりの量が含まれていたことを明らかにしました。アスベストは、爆発したパイプの「保温材」として使われていました。
一夜明けた現場では破裂したパイプの復旧作業が続いていますが、ビジネスマンや住民の中には、防塵マスクを携帯する人の姿が目に付きます。
「このマスクは『アスベスト』を避けるためです。肺にとって危険だと聞いたので、自分を守るために(マスクを)付けています」(近所の住民)
検出されたアスベストについて、ニューヨーク市は「短時間の接触なら健康に害はない」と説明していますが、現場近くにいた市民に対しては、当時、着ていた服をビニール袋に入れて捨てるよう異例の呼びかけを行いました。
テレビのニュースはこの情報を繰り返し伝えたほか、蒸気パイプを管理する会社は、廃棄する服が入った袋を持参すれば、相当額を保証する方針を明らかにしました。爆発は「テロ」とは無関係だったものの、ニューヨーカーは新たな「緊張」を強いられています。(20日11:41)