おととし11月、香川県坂出市で幼い姉妹と祖母の3人を殺害したとして、殺人などの罪に問われている男の裁判で、検察側は完全な責任能力があったと主張しました。 初公判からおよそ8か月ぶりに再開された裁判は、9日午前10時から冒頭陳述が行われました。9日はおよそ50の傍聴券を求めて、朝早くから275人が列を作りました。 殺人などの罪に問われているのは高松市の川崎政則被告です。冒頭陳述で検察側は犯行の準備が周到であり、完全な責任能力を持っていたと述べた上で、幼い姉妹への殺意についても祖母の殺害前から抱いていたと説明しました。これに対し弁護側は、心神耗弱で責任能力は限定的と主張しました。 海老茶色のシャツ姿の川崎被告は初公判のときに比べ、ややふっくらとした感じで、説明が映し出される画面を見ながらじっと冒頭陳述を聞いていました。 川崎被告はおととし11月、義理の姉である香川県坂出市の三浦啓子さんの家で三浦さんと孫の山下茜ちゃん、彩菜ちゃんの姉妹の胸などを包丁で刺して殺害し、3人の遺体を坂出港の資材置き場に捨てた罪に問われています。 去年7月の初公判で川崎被告は起訴事実を認め、責任能力の有無が裁判の主な争点になっています。 精神鑑定や争点を整理する期日間整理手続きなどを経て再開された裁判は、9日から連日開かれ、木曜日には求刑が、そして来週月曜日には判決が言い渡される予定です。(09日11:39)