純朴な一校生(現東大)がふらりと伊豆へ一人旅にでた。
天城峠に差し掛かったころ急の雨で峠の茶屋に駆け込んだーー小説の出だしから、私は小説の世界にスムーズに入り込むことができました。
旅芸人の一家と巡り会い一緒に伊豆の温泉町を旅することになった。
その旅芸人の末っ子の純真無垢な娘に淡い恋心を抱いた。しかし、
主人公はうぶでたぶん女性の手を握ったこともない若者です。
彼とその娘との、しばしの楽しい旅だったのです。
そのうちに、主人公は東京に帰ることになった。
船着き場で別れることになった。娘は岸を離れる船に向かって、いつまでも手を振り続けて別れを惜しんだ。
主人公は、夜に船底に横たわりながら娘のことを思った。そして、つい涙がながれてきた。淡々として、しかし娘との楽しい旅の最後に、主人公は娘が好きだったことに気づき、別れの悲しみが込み上げてきたのでしょう。
このときの主人公の気持ちがとても印象的で、私はいまでも忘れることができません。
たぶんこの小説を読んだとき、私もまだ純情で主人公の気持ちがよく理解できて、心情的に主人公と同じ思いになったのだと思います。
小説には読者の年齢や人生経験がタイムリーに合うときに感動するものです。
「伊豆の踊り子」はその小説を読んだときが学生時代だったから感動したのだと思います。
一方、川端康成の最高傑作といわれている「雪国」は大人の小説です。
だから、学生時代に読んだときには、あまり感動しませんでした。
ついでながら、私は、後年<会社勤めをしたころ>、初恋の人と天城峠から下田まで「伊豆の踊子」と同じルートをたどって、二人で旅をしたことがあります。この恋人と結婚したかったのですが、彼女は東京で好きな人ができて、私は失恋しました。我が人生で女性を真剣に愛したのはこれ一回だけです。私は東大に匹敵する京大卒で、一流企業の研究者でした。一方、恋人は大学受験に失敗して東京で働いていたのです。
京大卒のエリート・サラリーマンが高卒の娘に捨てられたわけです。しかし、「恋」とか「愛」とかいうものはそんなものでしょう。
失恋して悲しかったし(3kg痩せました)、悔しかったが、これが人生です。半年後に立ち直ってから、私はもっと強くならなければならない、と決意しました。それから、仕事を猛烈にしました。
恋人と二人で伊豆の旅をした思い出は今でも忘れることができません。
今もし、再会したら、彼女はもう65歳くらいのお婆さんでしょう。しかし、私の胸にときに蘇る彼女はいつまで経っても20歳のういういしい可愛い娘です。江西師範大学で陳さんたち女学生に教壇で教えて
いるおじいちゃん先生の胸に、あなたたちと同年齢の娘が息づいていることを、陳さんは信じられますか?
そして「伊豆の踊子」は私にとって、最も思い出深い青春小説なのです。
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