旧厚生省の元事務次官や家族が相次いで襲われ、2人が殺害され、1人が重傷を負った事件、警視庁の調べで、東京の事件では、現場近くから走り去る不審なトラックが目撃されていたことがわかりました。 元厚生事務次官・吉原健二さんの妻、靖子さん(72)は、18日午後6時半頃、東京・中野区の自宅で、宅配業者を装った男に胸など数か所を刃物で刺され重傷を負いました。 警視庁によりますと、逃げた男は年齢30歳くらい、身長160センチくらいで、野球帽をかぶっていました。自宅近くの交差点から南の方向に100メートルほど離れた駐車場のあたりまで、血痕のついた足跡が残されていたこともわかっていますが、その後の調べで、この駐車場付近から不審なトラックがスピードを出して走り去るのが目撃されていたことがわかりました。靖子さんが刺されたのとほぼ同じ時間帯だったということです。 「きゃーという声が聞こえた。おかしいなと思った時に、トラックがスピード出してワァーと走った。2トン、もっとあるか、2トン車ぐらいかな」(目撃者) 一方、さいたま市で、元厚生事務次官の山口剛彦さん(66)と妻の美知子さん(61)が殺害されたのは、遺体の状況から、17日の午後6時頃から午後10時頃の可能性が高いと見られています。 埼玉県警によりますと、こちらの現場でも玄関付近から北西の方向に向かって血痕のついた足跡が残されていました。足跡は数十メートル先で見つかったものもあったということです。 警視庁と埼玉県警は犯人の特定につながる情報がないか、さらに現場の状況などを詳しく調べています。(19日11:04)