10年前、三重県の上空で日本航空の旅客機が激しく揺れ、客室乗務員が死亡するなどした事故の控訴審で、名古屋高裁は、機長を無罪とした1審判決を支持し、検察側の控訴を退けました。
この事故は1997年6月、志摩半島上空で、日本航空の旅客機が激しく上下に揺れ、客室乗務員の谷口敦子さん(当時33)が事故後に死亡、乗客ら13人が重軽傷を負ったものです。
機長の高本孝一被告(56)が業務上過失致死傷の罪に問われましたが、1審は無罪で検察側が控訴していました。
控訴審では、機長が人身事故になるのを予見できたかどうかが大きな争点になりましたが、9日の判決公判で、名古屋高裁の門野博裁判長は、「乱高下の原因となった機首上げは、機長の操縦が影響したかどうかは不明で、死傷につながった事故の原因とは認められず、犯罪の証明ができない」と述べ、1審の無罪判決を支持し、検察側の控訴を退けました。
「前の裁判でもそういうことは言われていたにもかかわらず、同じことを言っているということについて極めて笑っちゃいました」(遺族は)
(09日11:43)