中国産食品の安全性が取り沙汰される中、中国の農業省は野菜の検査センターを報道陣に公開して、十分な検査体制であることをアピールしました。
公開された中国農業省の野菜検査センターでは、残留農薬の検査を全国各地で1年に5回ずつ行っているという事で、4年前には80パーセントあまりだった合格率が今年4月の検査で10ポイント以上上がったと強調しています。
「我々の設備は国内では先進的なものです」(中国農業省野菜検査センター副主任)
しかし、こうしたPRとは裏腹に、庶民の不安はくすぶっています。北京市内の日系のスーパーマーケットです。こちらは「無公害野菜」と書いてあるのですが、このように安全性をアピールする食品が売り上げを急激に伸ばしています。
このスーパーでは「無公害」と呼ばれる低農薬の野菜や有機野菜を、一般のものと分けて販売しています。値段はおよそ3倍ですが、それでも売り上げは伸び続け、先月は前の月に比べて5割増しの売れ様でした。
「政府は食品問題を厳しく管理してほしい。直接健康に関わる問題ですから」(買い物客)
中国政府はここのところ、検査施設を公開するなどして食の安全に対する懸念を払拭しようと躍起ですが、こうしたデモンストレーションは庶民感覚からかけ離れたものとなっています。(03日08:07)