アメリカがヨーロッパに設置した秘密収容所について、ヨーロッパの人権保護組織・欧州会議は8日、2003年から2005年までにポーランドとルーマニアに秘密収容所が設置されていたことが確実だとする報告書を発表しました。
報告書によりますと、2003年から2005年までの間、ポーランドとルーマニアにアメリカCIA=中央情報局の秘密収容所が存在し、アメリカ政府が「重要度が高い」とした容疑者らが拘束されていたということです。
ブッシュ大統領は去年、秘密収容所の存在を認める発言をしていましたが、場所については口を閉ざしたままでした。
報告書はさらに、ポーランド、ルーマニア両国の前大統領が、令状などに基づかない容疑者の拘束や移送に協力していたことを認めたと明記しています。また、同時多発テロ後の2001年10月には、アメリカ政府とNATO=北大西洋条約機構が、「重要度が高い」とされる容疑者らをヨーロッパで拘束することで秘密の協定を結んでいたとしています。
ルーマニア、ポーランド両国はそれぞれ、秘密収容所への関与を否定していますが、報告書は、容疑者らが違法な尋問を強いられていたとも指摘していて、さらなる人権問題に発展する可能性がでてきました。(09日04:45)