防衛省のシンクタンクが日本周辺の安全保障環境を分析した報告書を発表し、中国が東アジアで政治的主導権の確保を目指していると、警戒感を示しました。
これは防衛省のシンクタンク「防衛研究所」が、2007年度版の「東アジア戦略概観」で示したものです。
報告書は、東アジアで影響力を拡大する中国について、「ASEAN首脳会議の開催などを通じて、自らの主導権を発揮できる新しい秩序の構築と、アメリカの影響力の削減を狙っている」と分析しています。
そのうえで、「日本としては中国の政治的主導権の確保に向けた動きに注意しつつ、地域協力に対する中国の協調的な姿勢を促進することが必要」としています。
一方、去年10月に核実験を行った北朝鮮については、「核は北朝鮮にとって唯一の有効な取引手段であり、自国の安全保障にかかわる問題ではなくても、有利な交渉を行うために核開発を進展させ得る」との懸念を表しています。
また報告書は、去年7月の北朝鮮のミサイル発射にも触れ、「日朝ピョンヤン宣言はミサイル問題について明文化した合意を含んでおり、日本が問題解決に果たすべき役割は大きい」と強調しています。(27日05:09)