中国人民解放軍は、8月1日に創設80周年を迎えます。「中国脅威論」が国際社会にくすぶる中、軍は、外国メディアを招き、部隊訓練や施設を公開しました。中国が軍の訓練を公開するのは、異例のことです。
公開されたのは、天津市郊外に駐屯する北京軍区第196旅団。首都・北京の防衛に当たる陸軍の歩兵部隊です。射撃訓練やビルに突入する対テロ訓練を1時間近く披露しました。
この日、取材に訪れた外国メディアは100人以上。関心の高さは、人民解放軍の不透明さに対する国際社会の懸念の裏返しに他なりません。
「脅威かどうかは、我々の言動を見て判断してください。中国の政策は主に防衛です」(張清江旅団長)
張清江旅団長は19年連続で、2ケタの伸びを続ける国防費について、「ほとんどが人件費で、我々の給料も実際に上がった」と説明して、中国脅威論を一蹴しました。
今回は異例にも宿舎での生活風景まで公開されました。兵士一人一人の生の表情を見せる事で、脅威論を少しでも薄める狙いがあるのかもしれません。
「とてもおいしいです。皆さんもお召し上がりください」(兵士)
8月1日に、建軍80周年を迎える人民解放軍。異例の部隊公開に踏み切った一方で、派手な軍事パレードは見送られる予定です。来年のオリンピックを前に、脅威論が高まるのは何としても避けたい、そんな中国の思惑が窺えます。(31日09:22)