戦後唯一の国産旅客機、YS11型機の引退以来、途絶えていた、日本の国産旅客機の新たな計画が、18日、パリで開幕した国際航空ショーでお披露目されました。
戦闘機から宇宙船まで。世界の巨大メーカーが揃う、パリ国際航空ショー。その桧舞台に、2012年の就航を目指す日本の新型国産機も実物大模型でお披露目されました。
ひざの先にもゆとりがあって、小型機とは思わせない客席です。頭の上の空間にも十分なゆとりがあります。しかし、これが本当に実現するかどうかは、今回のショーでの評判一つにかかっています。
三菱重工が官民共同開発中の新型機「MRJ」は、主翼などに新素材を使って軽量化。燃費も競合機に比べ、およそ2割削減できるといいます。
「航空機産業として、今後われわれが生き残っていくために、開発から販売を含め、全体のビジネスを取り扱うということで、日本の航空機産業を大きく発展、そして成長することが出来る」(三菱重工業航空宇宙事業本部長、戸田信雄常務)
小型機は今後20年で世界で5000機の需要が予想される成長市場ですが、MRJは開発費だけで1200億円。実現のためには、今回のショーで、海外からの受注に目途をつけることが必要なのです。
シェア5割のトップメーカー、カナダ・ボンバルディア社の相次ぐ機体トラブル。新規参入組にはチャンスですが、中国やロシアの新型機は早くも来年から、就航予定です。
実現なるか、その決定は来年3月。YS11の初飛行から半世紀を経て、新たな国産機は世界へ離陸できるのでしょうか。(19日08:22)