好景気が続くロシアのモスクワでは、市民の間で今、日本食がブームになっています。職人の腕前や料理の味に関して、本物に接する機会はめったにありません。
怪しい服装で、ビジネスランチの呼び込みをする男。よく見ると、はちまきに羽織はかまをイメージした服装のようです。ここは、日本料理店なんです。
クレムリンの目と鼻の先にある日本料理店です。メニューがあります。汁物、麺類、巻き寿司が並んでいます。好景気にわくモスクワでは今、どこへ行っても日本料理のレストランが目に付きます。
寿司は、ひとつが40ルーブル、180円くらいから、決して安くはありません。しかし、日本人を対象にした高級店ばかりでなく、むしろロシア人を対象にチェーン展開している店も現れているのが、今のモスクワの生活ぶりを物語っています。
7日には、日本から寿司の専門家を招いた講習会が開かれ、ロシア人寿司職人や料理学校の学生などが、手ほどきを受けました。
「日本から来た講師の握り方を見るチャンスは、一生に一度しかない。私はこれが初めてです」(ロシア人職人)
「多くのロシア人は、日本の料理文化を知りません。このような講習は、是非必要です」(料理学校の先生)
参加者は、日本の寿司と、モスクワの寿司の違いを実感したようです。今のモスクワは、物が溢れかえるかつての日本のバブル期のような雰囲気です。日本食文化がどのように受け入れられていくのか。それもロシアの未来を推し量る物差しのひとつかもしれません。(08日09:49)