金融危機に対応してアメリカ政府は、大手金融機関に対して一斉に公的資金による資本注入を行うことなどを発表しました。公的資本の注入は、総額で25兆円にのぼります。
「これはアメリカの銀行システムの存続を確かなものとするため、不可欠な短期政策です」(ブッシュ大統領)
公的資金による金融機関への資本注入は、先に成立した緊急経済安定化法の7000億ドルのうち第一段階の2500億ドル、およそ25兆円の枠すべてを使うという大規模なものです。
資本注入は議決権のない優先株の形で行われ、すでに大手金融機関9社はこれに同意しましたが、事実上の強制注入です。
アメリカのメディアによれば、メガバンクの「シティー」、「バンクオブアメリカ」、「JPモルガンチェイス」には250億ドル、2兆5000億円が注入される見通しで、大手9社に枠の半分にあたる1250億ドル、残る半額が地方銀行などに幅広く注入されるものと見られます。
「政府が民間企業の株を持つなんて、多くのアメリカ人は反対でしょう。私だって同じ思いです。しかし、企業や消費者が金融を利用できないという状況は、到底受け入れられません」(ポールソン財務長官)
また、来年6月までに発生する金融機関の債務を政府が保証すること、利子のつかない当座預金を全額保護することも決めていて、世界的な株価の暴落を目の当たりにしたアメリカ政府は、先週末のG7合意を受け、3日間で政策協調を具体化させました。(14日23:01)