中国の国家主席としては10年ぶりに日本を訪れた胡錦濤国家主席。福田総理との首脳会談では信頼関係の強化で合意しましたが、東シナ海のガス田開発問題などは最終決着に至りませんでした。
2時間近くに及んだ首脳会談で、両首脳は「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明を出すことで合意、署名式が行われました。
「日中両国は国際社会における責任を認識し、絶えず相互理解と相互信頼を深め、互恵協力を拡大しながらアジアと世界の良き未来を共に作り上げていかなければなりません」(福田康夫首相)
「中日両国は、近隣としてアジアと世界に向け、重要な影響力を持つ国として、平和、友好、協力の道を歩むしかありません」(胡錦濤国家主席)
この政治文書は、10年前に江沢民主席が来日した際に出された日中共同宣言に続く、4つ目の政治文書となります。焦点のチベット問題では、中国政府がダライ・ラマ側と対話を行ったことを、福田総理が本格対話への第一歩として評価しました。
「私たちは(ダライ側との)接触が、積極的な成果を挙げることを望んでいる」(胡錦濤国家主席)
また気候変動問題では、日本が温暖化対策として提案している産業や部門ごとに温暖化ガスを削減する方式に、中国側が支持する内容の共同声明をまとめることでも一致しました。
「日中友好のシンボルとして、新たにパンダの貸与をしていただくとの申し出を頂きました。日本国民も喜ぶものと思うと、感謝と歓迎の意を表明しました」(福田康夫首相)
胡錦濤主席は、先日、ジャイアントパンダのリンリンが死んだことを受けて、上野動物園にパンダのつがいを提供することを約束しました。
また北京オリンピック開会式への出席について、福田総理は、「考えてみたらまだ先なんですね。事情が許せば前向きに検討してまいりましょう」。
友好ムードの一方、先送りとなった課題もありました。両国間の懸案事項である中国製の冷凍ギョーザ問題については、双方の捜査当局が引き続き真相解明に向けて協力していくことが確認されました。
東シナ海のガス田開発については、福田総理が会見で「大きな進展があり、解決のめどが立った」と述べながらも、具体的な時期については言及を避けるなど積み残しとなりました。(07日17:53)
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