経営難に陥っているアメリカの大手自動車メーカービッグ3への政府の緊急融資について、アメリカ議会は20日、採決を見送り、メーカー側から融資の使い道についてプランの提示を受けた上で、改めて議論することを決めました。 「自動車メーカーのトップは、今回の公的支援の有効性を議会とアメリカ国民に納得させることが出来なかった」(民主党リード上院院内総務) 大手自動車メーカービッグ3の首脳は今週、議会の公聴会に出席し、金融危機による経営難で、このままでは破綻しかねないと緊急融資の必要性を訴えました。 しかし、首脳たちが公聴会の開かれるワシントンに自家用ジェットでやってきたことなどから、一部では批判が高まる結果にもなりました。 こうした中、議会の民主党指導部は20日、今回の採決を見送った上で、メーカー側に対して、来月2日までに融資の使い道についてプランを提出するよう求め、実現可能だと判断すれば、再び議会を招集して議論するという方針を明らかにしました。 しかし、金融危機対策用の公的資金7000億ドルからの融資は、ブッシュ政権の反対などでほぼ不可能な情勢となっており、エネルギー技術向上の目的で既に承認されている250億ドルの融資を救済にあてる方向で話し合いが行われることになりそうです。(21日09:46)