初めて営業赤字に転落する見通しとなったトヨタ自動車が、北米のすべての工場で、操業の一斉停止に踏み切りました。関連企業への影響も必至で、「トヨタショック」がアメリカにも広がっています。 トヨタの北米最大の生産拠点、ケンタッキー工場です。およそ7000人が働いていますが、その大半は、生産中止に伴って、すでにクリスマス休暇に入っているということです。このケンタッキー工場をはじめ、北米にある14の工場すべてが、22日から一斉に2日間の操業停止に入りました。 トヨタはアメリカでの新車販売が、先月まで12か月連続で前年割れ。こうした販売低迷への対処として、異例の減産措置に踏みきりました。 「状況はこれまでで最悪。これ以上悪くなるとは想像できないほど、かつてない低迷ぶりです」(トヨタの工場で15年働く従業員) 「トヨタの城下町」ともいえるケンタッキー工場があるジョージタウンでは、点在する部品会社も便乗する形で生産停止日を増やす動きが出てきています。また、工場から生産車を運搬する業者の敷地には、空のトレーラーが目立つなど、関連企業の不振による地元経済への影響も懸念されています。 「業績悪化の流れが、徐々に関連会社に広がっています。この地域の小売業やサービス業にまで影響してくるでしょう」(ジョージタウン商工会議所会長) 22日のニューヨーク株式市場では、トヨタが初の営業赤字に転落するとの見通しを発表したことを受けて、自動車関連株が大きく値下がりするなど、勝ち組とされてきたトヨタの業績悪化がもたらす「トヨタショック」は、日本のみならずアメリカにも広がっています。(23日10:31)