アメリカでの金融不安の広がりを受け、ブッシュ大統領が国民に冷静な対応を求める異例の呼びかけを行い、「預金は保護されている」と強調しました。
先週末、経営破綻したカリフォルニアの銀行には公的管理の下で店が開いた週明けから預金を引き出そうと、長い列ができています。
こうした中、１５日、記者会見したブッシュ大統領は「金融システムは基本的には健全だ」と強調した上で、異例とも言える呼びかけを行いました。
「連邦政府は預金保険公社を通じて最大１０万ドルの預金を保証しています。預金者は連邦政府によって守られていることを理解しなければなりません」（ブッシュ大統領）
一方、議会では今回の金融危機のもとになった政府系住宅金融会社２社の救済策について審議が行われ、ポールソン財務長官は、救済措置は１８か月間の一時的なものとすること、政府からの緊急融資には上限を設けないことを明らかにしました。
「政府系企業に対する継続的な信頼は金融システムと市場の安定に重要です」（ポールソン財務長官）
「金融市場をより正常に機能するよう戻すことはＦＲＢの最優先事項です」（ＦＲＢバーナンキ議長）
このように政権一体で金融不安沈静化への必死の取り組みをアピールしましたが、その一方、ブッシュ大統領は「民間企業は救済しない」と、あくまで市場原理を重視する持論もあわせて展開していて、現実に危機にさらされている市場との間に微妙な認識のズレも生じ始めています。（16日08:00）
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