サブプライム問題で金融不安が深刻化しているのを受けて、アメリカのポールソン財務長官は、FRBの権限強化など金融監督体制の抜本的な改革案を発表しました。
「規制の枠組みをより柔軟で、効率、効果的、安全で安定したものに進化させることを目指しています」(アメリカ・ポールソン財務長官)
金融危機への懸念が広がる中で記者会見したポールソン長官は、大恐慌後の1930年代以来となる金融監督体制の抜本改革の必要性を強調しました。
改革案は、まず、証券大手のベアー・スターンズ救済劇を受けて、中央銀行のFRBに対し、従来の銀行だけでなく、証券会社や投資ファンドにまで監督する権限を広げ、市場安定当局としての役割を果すよう求めています。
また、一連のサブプライム問題の反省から、住宅ローン業者を監督する連邦委員会を新たに設置すること、現在は各州に任されている保険会社の監督を連邦政府の財務省でも行うこと、さらに、細分化されている監督機関の統合などをあげています。
改革案は218ページにも及ぶ包括的なものですが、議会からは、現在の危機に応えていないと、早くも批判の声が上がっているほか、関係団体の反発も予想され、大半は来年誕生する新政権に持ち越されることになりそうです。(01日08:08)
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