民主党代表選挙に出馬の意向を固めた野田財務大臣が、自ら代表になった場合、自民・公明両党に「大連立」を呼びかけるとした発言が波紋を広げています。野田氏の発言の真意はどこにあるのでしょうか。
「タイムリーに結論出して果敢に実行に移していくためには、私は政権もオールジャパン。3党協議などやってきたので、自民党、公明党の皆さんの意見をよく踏まえて対応しないと」(野田佳彦財務大臣 13日)
野田氏の口から突然飛び出した「大連立」発言。特例公債法案の担当大臣として「ねじれ国会」の難しさを目の当たりにした野田氏は、自民・公明両党を閣内に入れ、「救国内閣」を作るべきだと主張しました。閣僚からは賛否両論が飛び交いました。
「そんな簡単に、数が足りないから仲良くしましょうと言ってできる話じゃなくて。それができるんだったら菅内閣はこんなことになるはずがないんで」(北澤俊美防衛大臣)
「各党からいろいろな形で協力をしっかりしてもらえるようにしなければならない、方向性としては間違っていないと思います」(細野豪志原発担当大臣)
一方、大連立を呼びかけられた格好となった公明党・山口代表は・・・
「それ(大連立)は全く否定するものではありませんが、今、それを具体的に意思決定する段階ではない」(公明党 山口那津男代表)
民主党の代表選挙に巻き込まれることを恐れ、静観する構えを見せています。
野田氏周辺は「代表選の争点にするつもりはない」と否定しますが、増税の是非だけに関心が集まると不利になりかねない野田氏にとって、争点を分散させる狙いがあるのではという見方も出ています。
「私は(自民・公明が)閣内に入っていただくのが ベストだと思いますけれども」(民主党 前原誠司前外務大臣 14日)
また、前原前外務大臣や仙谷官房副長官らも大連立を目指していることから、党内ではこの2人が野田氏を支持する中心であることが明らかになってきたという見方もあります。しかし、菅政権で中枢を占めてきた仙谷・前原両氏に対する反発は小沢グループを中心に根強く、「大連立」に前向きな発言は「増税」に続いて代表選で野田氏の不安要因となる可能性をはらんでいます。(15日16:31)
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