東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松が25日、成田山新勝寺(千葉県成田市)が行った「柴灯大護摩供(さいとうおおごまく)」で、震災犠牲者の供養と復旧復興を祈願して燃やされた。
高田の松の使用は京都市の「五山送り火」での使用問題が報じられる中、同寺側が申し出た。安全面を懸念する抗議が100件以上あったが、同寺は趣旨や検査で放射性物質が不検出だった点を説明し理解を求めてきた。
この日は4.5センチ四方、長さ90センチの角材にした30本を、「祈願東日本大災害復興」の文字が記された護摩木などとして用意。大導師の山崎照義寺務長が祈願成就を祈った後、約3000人の参詣客が手を合わせて見つめる中、僧侶が1本ずつ丁寧に火の中に投じた。
千葉市花見川区の無職、渡辺長務(おさむ)さん(67)と陸前高田市出身の妻ヨネ子さん(64)は、復興を祈って初めて護摩木を奉納した。夫妻は「遠くてなかなか現地に行けない。供養できて良かった」と笑顔を見せた。同寺の僧侶、渡辺照充(しょうじゅう)さんは「これだけ多くの人と思いを一つにできた」と話していた。【清藤天】
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◆供養 (くよう):供养、供奉
◆趣旨 (しゅし):趣旨◆奉納 (ほうのう) :奉納