「かわいそう」をめぐって
「かわいそう」をめぐって 吉川 武時 洪水で家をなくしたり肉親をなくしたりした人のことを「かわいそうだね」と言ったら、学生に「なぜですか」と言われた。いくら価値観の異なる国から来た学生でも、家や肉親をなくした人のことを「かわいそう」と思わない者はいないはずだ。「そうですね」という反応を予想していたのに、「なぜですか」と言われて、すごくとまどった。 学生は伝聞の「そう」と様態の「そう」を習う。伝聞の「そう」とは「雨が降るそうだ」の「そう」のことである。様態の「そう」とは「雨が降りそうだ」の「そう」のことである。前者は叙述形に付く。後者は動詞の連用形に、形容詞、形容動詞の語幹に付に付き、全体で一種の形容動詞となる。 伝聞 雨が降るそうだ 叙述形に付く 様態 雨が降りそうだ 動詞の連用形に付く形容詞・形容動詞の語幹に付く 動詞に付いた場合は予測、切迫、未発などの意味になる。 「そう」が形容詞に付いたときの意味が本来「様態」と言われるものである。 おいしい おいしそうだ 悲しい 悲しそうだ 丈夫だ 丈夫そうだ 「おいしそうだ」は「おいしいように見える」、「悲しそうだ」は「悲しいように見える」という意味である。こ... [ 查看全文 ]「かわいそう」をめぐって的相关文章