問題となっている自治体の不正経理問題。その裏金づくりを悪用し、そこからさらに金を個人的にだまし取ったとして、愛知県職員が詐欺の疑いで逮捕されました。一体どうなっているのでしょう。
逮捕されたのは、新城市にある愛知県県有林事務所の主査・内藤三重子容疑者(60)です。
警察によりますと、内藤容疑者は新城設楽農林水産事務所に勤務していた4年前、二十数回にわたって事務用品を架空発注し、県から業者に支払われたおよそ165万円を友人名義の口座などに入金させ、だまし取った疑いが持たれています。
「公金を扱う職員がそのようなことをやったというのは、県民の皆さまの信頼を失った。おわびをしなければならないと思っております」(愛知県、西村眞 副知事)
内藤容疑者の犯行の背景には、愛知県で繰り返されていた裏金づくりがありました。
愛知では、地方の事務所などが予算上認められなかったパソコンなどを買うため、事務用品の業者に架空発注を繰り返し、業者側に裏金をプール。「預け金」と呼ばれるその裏金でパソコンなどを買っていました。
内藤容疑者は、この裏金づくりのシステムをさらに悪用していたのです。プールされた裏金を業者に返金させる形で、自分が管理していた友人名義の口座などに振り込ませていました。内藤容疑者がだまし取った裏金は、総額で365万円に上ると見られます。
警察の調べに対し、内藤容疑者は「およそ160万円をブランド品の衣服を買うのに使った」と容疑を認めています。
「(Q.逮捕されたと聞いて?)びっくりしています」
「(Q.人柄は?)良い方ですよ。良いおばさん」(同僚の愛知県職員)
警察は30日、事件の舞台となった新城設楽農林水産事務所などを捜索し、容疑の裏づけを進める方針です。(29日17:44)