メキシコには、およそ6000人の在留日本人がいますが、駐在員の家族らが続々と帰国を始めています。 メキシコシティーの空港では、日本へ帰る人たちの長い列ができています。WHOが警戒レベルをフェーズ4に引き上げてから一夜。空港では、日本人駐在員の家族らの帰国ラッシュが始まりました。 「家族だけ帰ります。私は、もうしばらくこちらに」(家族を帰国させる男性) 一方で家族の帰国について、苦悩する駐在員がいます。TERUMOメキシコ現地法人の藤田誠さんです。 「飛行機に乗ることによる感染リスクを危険と考え、飛行機に乗らないで残留するというのが今ではベスト」(TERUMOメキシコ現地法人藤田誠さん) 「スーパーが閉まるかもしれないといううわさがあるので、いつもより多めにいろいろと買っています」(藤田さんの妻・尚子さん) 妻の尚子さんと長男の皐祐君。皐祐君は先週金曜日から一歩も外に出ていません。事態が急速に悪化しても帰国できるように、2人は来週の日本行きの航空券を予約しています。 しかし、皐祐君は中学3年生。帰国するよりは、通っている現地の日本人学校で受験に備えたいというのが一家の希望でもあります。 「(学校が)再開のメドがあれば学校に行きたいので、こちらでもう少しがんばろうかと思ってるんですが」(尚子さん) 帰りたくても帰れない。豚インフルエンザの被害が拡大するにつれ、一家の悩みは深まる一方です。(29日11:34)