アメリカのブッシュ大統領と、イランのアハマディネジャド大統領が、28日、イラク情勢などを巡り、お互いを激しく非難しました。
ロイター通信によりますと、イランのアハマディネジャド大統領は28日の記者会見で、「イラクにおける占領者の力は急速に衰えている」「我々は、この地域で生じる空白を埋める準備がある」などと述べ、アメリカがイラクから撤退した後は、イランが主導権を握るとの強気の姿勢を示しました。
一方、アメリカのブッシュ大統領は、ネバダ州での演説で、イランへの警戒感を露わにしました。
「イランの行動は、世界中いたる所で国家の安全を脅かしている。我々は手遅れになる前に、この危機に立ち向かいます」(アメリカ・ブッシュ大統領)
アメリカとイランはイラクの安定化のため、今年5月に1980年の国交断行以来初めてとなる、大使級協議を行うなど歩み寄りも見せていました。
しかし、ここにきて、アメリカ政府がイラクのテロ組織を支援しているとされるイランの革命防衛隊を「テロ組織」に指定する動きを見せるなど、再び緊張が高まっていて、アメリカ軍によるイラン空爆準備説が流れるなどしています。(29日09:31)